診療科・部門紹介
病理診断科
特長(専門分野)   学会認定施設   スタッフ紹介   主な手術・治療・検査とその実績
がんと病理診断

特長(専門分野)

病理診断科で実施している日常業務は、生検・手術検体の病理診断、術中迅速診断、細胞診、病理解剖です。実績にみられるように、年間6,000件を超える生検・手術検体数は、病院の規模を考えるとかなり多いものです。生検・手術検体の病理診断、術中迅速診断、細胞診といった病理診断は、疾患の診断・治療の基礎的指針となるものですが、分子標的治療の適応決定など、近年、その役割・責任がさらに増しています。病理診断業務の大きい部分を占めるがん診療における具体的役割について、下記の「がんと病理診断」に記載しましたので参照ください。

病理診断は、臨床医とのコンセンサス・信頼関係なくしては成り立ちません。一方的な病理診断報告ではなく、常に双方向的なコミュニケーションを図りながら適切な病理診断がなされるように努力しています。
その一環として、臨床各科とのカンファランスやCancer Boardへの関与も重要な業務のひとつです。

病理解剖は救急搬送直後の死亡例や予期せぬ病態を呈した例、臨床診断が困難であった例などに対して、病態や診断を明らかにするために実施されています。それらの多くはCPC(臨床病理検討会)の場で議論され、後の診療のために役立てられています。

学会認定施設

日本病理学会研修認定施設B
日本臨床細胞学会施設認定
日本臨床細胞学会教育研修施設認定

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スタッフ紹介

病理診断科
主任部長   佐藤 英章 (さとう ひであき)
医 長   山 早苗 (やまざき さなえ)
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主な手術・治療・検査とその実績

  平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度
病理組織診断
(院内、含迅速診断)
5,936 6,256 6,110 6,328 6,416
術中迅速組織診断 212 190 161 163 162
細胞診断 7,525 7,499 7,303 7,284 6,895
病理解剖
(内科例)
12
(10)
14
(10)
7
(6)
14
(12)
13
(11)
各年度4月1日〜翌3月31日受付分、件数
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がんと病理診断

ヒトのからだは多数の細胞が集まってできており、それぞれの細胞は周囲の細胞と協調しながら一定の働きをしています。その一部が協調を無視して勝手に増えてしまう細胞(がん細胞)に変化し、本来あるべき場所ではないところにも拡がってしまう(浸潤、転移)のが、“がん”という病気です。
がんの診断を確定するためには、病変の部位に“がん細胞”が存在することを顕微鏡下で確認する必要があります。これは病理組織診断と呼ばれている医行為であり、がんの診断・治療のさまざまな場面にかかわっています。がんの診療にはなくてはならないものです。

がん治療前の病理診断

 

がんの診断を確定するために、がんが疑われている病変から一部を採って(生検といいます)顕微鏡標本(組織標本)を作製し、組織診断(がんであるかどうか、どのような種類のがんであるか、悪性の度合いはどの程度かなど)が行われます。 特殊な染色や遺伝子検査を実施し、ある種の分子標的治療を含めた抗がん剤治療が有効かどうかを調べる場合もあります。 生検のやり方としては、内視鏡検査で消化管のがん(食道がん、胃がん、大腸がん)や肺がんの一部をつまみ取ってきたり、針を刺して乳がんや前立腺がん、肝がんの一部を採ってきたりする方法があります。
がん細胞を顕微鏡下で確認する方法には、細胞診もあります。痰(たん)の中の肺がん細胞や尿の中の膀胱がん細胞を見つけるのは細胞診であり、子宮頚部がんの診断のために子宮膣部を擦り取って診るのも細胞診です。がん細胞が認められれば、さらに病変部の生検を行って確認します。 乳がんでは、生検同様、病変部に針を刺して乳がん細胞を吸引採取する細胞診も行われます。 膵がんや胆道がんなどでは、膵液や胆汁中のがん細胞をみつける細胞診が診断に有用です。
生検による組織診断と細胞診とでは、がん細胞の採れ方や顕微鏡標本の作り方が異なりますが、がんが発生した臓器や状況に応じて一方もしくは両方を行うことで、治療前のがんの診断が確定されます。

がん手術中の病理診断

 

がんの手術中、リンパ節などへの転移の有無や、臓器をからだから切り離したところ(断端)にがんが存在していないこと(手術で病変がとり切れていること)などを、その部位の組織標本を作製して確認することが行われ、術中迅速組織診断と呼ばれています。組織を凍らせて短時間で顕微鏡標本を作製し、連絡を受けてから30分以内には病理診断結果を報告しています。
胃がんや卵巣がんの手術などでは、おなかの中(腹腔内)にたまった液体(腹水)の中にがん細胞が散らばっていないかを確認するための迅速細胞診も行われます。

手術や内視鏡で切除されたがんの病理診断

 

手術で切除されたがんは、切除された臓器の中での病変の部位や病変の形・大きさを肉眼的に確認・記録した後、必要な部位から組織標本を作製して、がんの種類や広がり、リンパ管や血管内にがん細胞が入り込んでいるなど転移の可能性を高める要因の有無、手術でとりきれているかどうか、同時に切除されたリンパ節への転移の有無、などを最終的に確認します。それらに基づいて最終的ながんの進行度(ステージング)が決定されます。
消化管のがんなどでは、がん病巣を内視鏡で切除することが可能な場合がありますが、手術で切除されたものと同様に病理診断がなされます。がん病巣を最小限に切除しているため、切除されたものを細かく切ってすべてを組織標本とし、がんがとりきれているかどうかを十分に確認することが必要となります。
これら病理診断の結果は、がん切除後の追加治療の必要性などを決める重要な指針となります。生検のところで述べた特殊染色や遺伝子検査を、この段階で行う場合もあります。

がん治療後の病理診断

 

手術後のがん再発の有無や放射線・抗がん剤による治療効果などを確認するために、治療後にも生検や細胞診が行われ、それらに対する病理診断がなされます。
必要に応じて、保存されている標本を用いて特殊染色や遺伝子検査が追加される場合もあります。

以上のように、病理診断はがん診療の全過程において重要な役割を果たしており、がん診療に必要不可欠な医行為です。
当院においては、上記スタッフにある常勤病理医1名と非常勤医3名、臨床検査科所属の常勤臨床検査技師5名(細胞検査士資格を有する4名を含む)が協力して業務にあたっています。

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