患者さんを中心とした医療の質の向上をめざします

泌尿器科

泌尿器科 主な対象疾患

腎臓、膀胱、尿道といった尿に関連した臓器のみならず、前立腺、精巣、副腎といった生殖、ホルモンに関連した臓器の病気も扱います。

膀胱炎などの内科的疾患から、がんの手術といった外科的疾患まで、非常に守備範囲の広い病気を扱っています。

当科で扱っている主な疾患

腫瘍 前立腺がん、腎がん、膀胱がん、腎盂尿管がん、精巣腫瘍、副腎腫瘍など
尿路結石 腎結石、尿管結石、膀胱結石など
前立腺肥大症
感染症 膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎、尿道炎など
膀胱機能障害 神経因性膀胱、尿失禁
小児泌尿器科疾患
※6歳以上
包茎、陰嚢水腫、停留精巣、ソケイヘルニアなど
その他 包茎、陰嚢水腫など

特長

プライマリーケア(総合的な医療)から先進医療まで、地域の皆さんから安心していただける診療体制をめざしています。また、地域の中核病院として大病院にはないアットホームで、きめの細やかなケアが提供できるよう心がけております。
当科では、泌尿器科一般の診療を行っておりますが、特に、がん治療、尿路結石、前立腺肥大症を中心に診療をおこなっています。

がん診療

地域がん診療連携拠点病院として特に治療の充実を目指しています。
診断においてはCT、MRI、シンチグラフィー、PET/CTなどの検査が可能です。
また、2019年より手術支援ロボット ダビンチを用いた治療や、強度変調放射線治療(IMRT)という新しい技術を用いた放射線治療が可能となりました。

地域の医師と連携した前立腺がんの検査

前立腺がんに対する腫瘍マーカー(PSA)検査、前立腺生検では、川口市の泌尿器科医で地域連携クリニカルパスを作成し、地域の医師の方との連携を強化し、どの施設でも同じ診断基準で検査、フォローが可能であるようにしました。

先進医療・MRI撮影および超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検

従来の前立腺針生検は、超音波を観察しながら前立腺全体を均等に穿刺して組織を採取する検査法でしたが、近年のMRIの進歩により、超音波とMRI画像を融合し、がんが疑われる部位を特定して穿刺することが可能となりました。
当院でも、この前立腺生検「MRI-超音波融合画像に基づいた前立腺生検」を行っています。
「MRI-超音波融合画像に基づいた前立腺生検」は、これまで不可能とされていた前立腺内部のがん診断が可能となる技術として、厚生労働省から一部自費負担となる先進医療として承認されています。

先進医療の名称 MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法
先進医療にかかわる費用 110,000円

※先進医療にかかわる費用については、全額自己負担となります。
先進医療を受けたときの費用は、「先進医療にかかわる費用」+「各健康保険制度における一部負担金」をお支払いいただくことになります。

手術支援ロボット ダビンチ

より低侵襲な治療を目指して、2019年に手術支援ロボット ダビンチを導入いたしました。
ロボット手術は、泌尿器科に関する疾患として2012年に前立腺がん、2016年に腎臓がん、そして2018年に膀胱がんも保険適応となりました。
当院では、当面のあいだ「前立腺全摘出術」「膀胱全摘出術」を対象としています。

手術支援ロボット ダビンチ

3D腹腔鏡による治療

治療では、腹腔鏡手術を積極的に施行してきましたが、2017年より3D内視鏡システムを導入しました。
従来の腹腔鏡(2D)では把握しづらかった部位の奥行感などが、3D腹腔鏡ではより鮮明な画像としてとらえることができるため、手術の向上に繋がっています。

放射線治療

2019年より強度変調放射線治療(IMRT)という新しい技術を用いた放射線治療が可能となりました。
新システムではがんの状況をリアルタイムに判断して、がん標的に対して正確に放射線を当てることができます。これにより治癒率を向上することができ、また副作用を軽減することができます。

薬物治療

薬物治療としては、最新のホルモン治療薬、抗癌剤治療薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、放射線医薬品を使用できる体制を整えており、患者さんの状態、病気の状態、社会的状況に合わせた最適な治療を選択していきます。

尿路結石

投薬治療では改善しない方には、体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)、およびレーザーを用いた経尿道的腎尿管結石破砕術(TUL)、経皮的腎結石破砕術(PNL)が可能です。3つの方法を駆使して、結石の位置、大きさ、患者さんの状態、希望に応じて治療方法を選択しています。

前立腺肥大症

投薬治療では改善しない方には、内視鏡的前立腺切除術(TURP)、ステント挿入、開放手術まで、 患者さんの状態に応じた治療が選択できるようにしています。

前立腺がん

前立腺がんは、初期にはがんに特有な自覚症状はありません。 したがって、大部分の方が、健診あるいは近医で腫瘍マーカー(PSA)の検査を受け、異常を指摘された後に来院されます。
外来では問診の後、直腸診、経直腸的超音波検査などを施行し、がんが疑われる場合には、前立腺針生検を行います。

特に前立腺生検では、MRIで検出された部位を超音波画像による生検で確実に採取できる技術といわれている「MRI/超音波画像下前立腺生検」が、平成28年より厚生労働省より「先進医療」として認められ、当院では2016年8月より開始しています。
MRIでがんが疑われる部位が明かな患者さん、および1回目の生検では陰性だったけれどもその後PSAがさらに上昇し2回目以上の生検が必要になった患者さんには強くお勧めする検査方法です。1~2%の方に発熱、出血などを伴うことがありますので、 日帰り手術センターを経由し、検査日から翌朝までは入院の上観察させていただいております。


当院では、手術療法、放射線療法、内分泌治療をはじめとした薬物治療が可能です。
手術療法では腹腔鏡手術を積極的に施行してきましたが、2017年よりさらに精度が向上した3D腹腔鏡を導入しました。従来の腹腔鏡(2D)では把握しづらい部位の奥行感などが、3D腹腔鏡ではより鮮明な画像としてとらえることができるため、安全で正確な手術の向上に繋がっています。
また、2019年には手術支援ロボット ダビンチを導入いたしました。
ダビンチの導入により、より精緻な前立腺摘出術が可能となり、患者さんの体への負担が少ない低侵襲な治療に繋がっています。(ダビンチについては、こちらをご参照ください)

放射線治療では強度変調放射線治療(IMRT)を導入されています。IMRTは、複雑な形をするがんに対して、がん病巣に放射線を集中して当てられる可能性がある治療技術です。
前立腺がんの放射線治療についても、前立腺にそって放射線がかけられるため、直腸や膀胱など周囲の正常臓器への影響が軽減されます。

薬物治療としては、認可されている全ての最新のホルモン治療薬、抗がん剤治療薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、放射線医薬品を使用できる体制を整えており、患者さんの状態、病気の状態、社会的状況に合わせた最適な治療を選択していきます。
その他の選択肢としては、小線源治療・陽子線・重粒子線治療については、ご希望があれば当院より紹介させていただきますのでお気軽にご相談ください。

膀胱がん

膀胱がんの多くが、排尿痛を伴わない血尿で来院されます。 したがって、痛くもないし、1日で血尿が止まったから大丈夫というのは大変危険です。男性に多く、有機溶媒などを扱う職業の方に多いと言われています。
膀胱がんは表在性と浸潤性の2種類に分けられます。表在性の多くは内視鏡的に腫瘍を切除します。しかし、切除しても膀胱の別のところに再発を繰り返すという特性を持っており、 再発率を下げる目的で、抗がん剤の膀胱内注入、BCG療法などをおこなっています。
2016年より腹腔鏡下膀胱全摘除術を開始し、良好な成績を得ています。浸潤性は、もはや切除のみでは治療は不可能ですので、膀胱全摘除術をおこないます。摘出後の尿路再建として、当科では、自分で排尿が可能な、代用膀胱での尿路再建を積極的に行っています。また、浸潤がんでの治療の基本は膀胱全摘除術ですが、切除が不可能な場合や、希望されない場合は、内視鏡切除後、抗がん剤や放射線治療を用いる集学的治療を実践しています。
また、2019年よりロボット支援下膀胱全摘除術を開始しています。

尿路結石

尿路結石は、5ミリ以下のサイズのものは、自然排石することが多いため投薬治療が基本となりますが、1センチを超えるものは自然排石の可能性が低く外科的治療の対象となります。
また1センチ以下のものであっても、痛みが強い場合や、発熱や水腎症を伴う場合も治療の対象となります。
当院では、体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)、経尿道的腎尿管結石破砕術(TUL)、経皮的腎結石破砕術(PNL)の3つの方法を駆使して、結石の位置、大きさ、患者さんの状態、希望に応じて安全で確実な方法を用いていきます。また、総合病院の強みを活かし、循環器系などの併存疾患を有している患者さんの治療も安全に施行することが可能です。お気軽にご相談ください。

学会認定施設

日本泌尿器科学会専門医基幹教育施設

National Clinical Databaseへの症例登録について

当院は、National Clinical Database(NCD)が行う、外科手術症例のデータベース化事業に参加しており、
泌尿器科および外科、血管外科においての手術症例を登録しています。
下記の「患者さんへ 専門医制度と連携したデータベース事業について」をご参照いただき、
NCDの趣旨、また当院のNCDへの参加についてご理解いただきますようお願いいたします。

※平成30年4月2日以降、泌尿器科において手術を受けるすべての患者さんが対象となります。
※NCDは日本外科学会を基盤とする外科系の学会が共同し、日本全国における外科手術に関する情報を
集計・分析することにより、医療の質向上に役立てることを目的としています。

●「患者さんへ 専門医制度と連携したデータベース事業について」
●National Clinical Database(NCD)ホームページ

外来担当医表

詳しくはこちら

主な手術・治療・検査とその実績

主な手術の件数

腫瘍関連 2016年 2017年 2018年 2019年
腹腔鏡下前立腺全摘除術
(うちロボット支援下手術件数)
15 27 31 35
(18)
副腎摘出術
(うち腹腔鏡下手術件数)
2
(2)
5
(5)
1
(1)
2
(2)
根治的腎摘出術
(うち腹腔鏡下手術件数)
9
(9)
7
(5)
20
(15)
8
(8)
腎部分切除術 5 11 5 6
腎尿管全摘除術
(腹腔鏡下手術件数)
15
(5)
17
(15)
12
(12)
14
(14)
経尿道的膀胱腫瘍切除術
(TUR-BT)
124 121 118 121
腹腔鏡下膀胱全摘除術
(うちロボット支援下手術件数)
10 11 12 8
(3)
腹腔鏡下手術
(うちロボット支援下手術)
35 63 69 67
(21)
前立腺生検 143 181 137 117
MRI/超音波癒合画像下前立腺生検 25 81 104 64
前立腺肥大症 2016年 2017年 2018年 2019年
経尿道的前立腺切除術
(レーザー前立腺核出術を含む)
14 32 35 27
尿路結石 2016年 2017年 2018年 2019年
体外衝撃波結石破砕術(ESWL) 107 80 89 84
経尿道的腎尿管結石破砕術(TUL) 43 67 72 64
経皮的腎結石破砕術(PNL) 5 17 9 7

泌尿器科 スタッフ紹介

主任部長 橋本 恭伸 (はしもと やすのぶ)

診療科 泌尿器科
役 職 主任部長
専門分野 泌尿器科悪性腫瘍
(前立腺がん、膀胱がん、腎がん、精巣がん)
泌尿器内視鏡手術
前立腺肥大症  尿路結石症
資格・認定

日本泌尿器科学会・泌尿器科専門医・指導医
日本泌尿器内視鏡学会・泌尿器腹腔鏡技術認定医
ロボット手術認定医
日本がん治療認定医機構・がん治療認定医
日本透析医学会・専門医・指導医
日本臨床腎移植学会・認定医
日本医師会認定健康スポーツ医

医員 西村 紘一 (にしむら こういち)

診療科 泌尿器科
役 職 医員
専門分野 泌尿器悪性腫瘍
泌尿器内視鏡手術
ロボット支援下手術
資格・認定
所属学会
日本泌尿器科学会・泌尿器科専門医
ロボット手術認定医

医員 四手井 郁美 (しでい いくみ)

診療科 泌尿器科
役 職 医員
専門分野 泌尿器科一般